ドラムのハイハットを操る!オープン・クローズ入門

ハイハットを操る!オープン・クローズ入門

ハイハットの「オープン」「クローズ」とは、演奏方法のひとつです。これをマスターすれば、演奏がより表情豊かに、ドラムがもっと楽しくなります!このブログでは、仕組みから譜面の読み方、すぐに使える譜例まで、ハイハットの魅力をまるごと紹介します!

①ハイハットは唯一「音の長さ」を操れる打楽器

ハイハットは一見すると、2枚のシンバルをスタンドに取り付けただけの単純な仕組みですが、この2枚の開け閉め(オープン・クローズ)によって、「音の長さ」を表現できる特別な存在です。

シンバルを閉じた状態で叩けば「チッ」と短く締まった音(クローズド・ハイハット)、

ペダルを少し緩めてシンバル同士の間に隙間をつくれば「チー」と余韻のある音(オープン・ハイハット)が鳴ります。

 

多くの打楽器は音の長さを表現する際、音色やロール奏法を用いますが、叩いたら叩きっぱなしになることがほとんどです。

しかしハイハットは、基本の音そのものに「短い音」と「長い(伸びる)音」が存在するため、これらを組み合わせることで、弦楽器や管楽器のように”音の長さ”を直接的に表現できます。

 

そしてそれを可能にしているのが「ハイハットスタンド」。

ついバスドラムのペダルばかりに気を取られてしまいますが、この機会にぜひハイハットの操作も強化していきましょう!

 

▶︎どうやって開け閉めするの?

ハイハットスタンドには、他のシンバルスタンドと違いペダルがついています。

ペダルを踏み込むと上のシンバルが下のシンバルに押しつけられて「クローズ」状態に、足を緩めると上のシンバルが持ち上がって「オープン」状態になります。

ハイハットペダルの踏み方には、バスドラムのペダルと同様に”ヒールダウン”と”ヒールアップ”があります。
初心者の方は”ヒールダウン”で練習しましょう!
カカトが地面に接していることにより、体幹の安定感が生まれます。

慣れてきたり速いフレーズが出てきたら、”ヒールアップ”にもぜひトライしてくださいね。

▶︎譜面ではどう表記されるの?

ハイハットの音色は、ドラム譜では「+」や「◯」印で記されます。

「+」はクローズの音、「◯」はオープンの音です。

「◯」が連続している場合は、”ハイハットを開き続けた状態で演奏してください”という指示になります。

 

さらに指示が細かい譜面では、オープンしたハイハットを踏み込むタイミングも記載されます。多くはト音記号の五線譜上で「レ」の位置に「×」の音符で記譜されます。

また、ほとんどの譜面ではハイハットの開き具合までは指定されません。

 

ロックやポップスでは、盛り上がりに合わせてだんだんとハイハットの開きを大きくしていく演奏もあります。こういったものは、全てに「◯」が記載されていたりします。

つまり、”どのくらい開いた状態で音を出すか”は演奏者のセンスに委ねられているのです。

 

ただし、一般的にはハイハットが完全に離れた状態で演奏することは少なく、上下が擦れ合う状態で演奏することがほとんどです。
どのような音色になるのか、そしてどのような音色を出したいのか、楽曲を聴き比べながら試してみてください。

 

余談ですが、ハイハットは踏み込むだけでも音が出ます。この音は「フットハイハット」と呼ばれ、もちろん立派な演奏の一部です。

代表的なのは、ジャズでライドシンバルを叩きながら2・4拍目に入れる演奏。譜面にしっかり表記されることもあれば、”プレイヤーのセンス”で追加する場合もあります。普段聴いている曲にも、実はこっそり入っているかも…?

▶︎ハイハットが開かない or 開きすぎる

ハイハットスタンドの構造として、2枚のうち上側にあるハイハットは「クラッチ」と呼ばれるパーツで固定されています。

ほとんどの場合、このクラッチの調整が原因で「ハイハットが開かない」「 開きすぎる」といった問題が起きます。

クラッチの調整方法は少し長くなるのでここでは割愛しますが、「ハイハット クラッチ 付け方」などで検索してみてください!

オープン・クローズでエイトビートが生まれ変わる!

さて、ここからが実践編です。

初心者が最初に覚える「エイトビート」。

右手でハイハットを”チッチッチッチッ”と刻む基本のリズムですね。

この”チッチッチッチッ”をずっとクローズしたまま叩くと、正確ではありますが、どこか平坦な印象になってしまいがちです。

しかし、ほんの一瞬ハイハットをオープンするだけで、ビートに”呼吸”が生まれます。

たとえば、4拍目のウラにオープンを加えてみましょう。

【譜例1】 

「これでいったい何が変わるの?」と思った方は、ハイハットに合わせてカウントしながら、息を吸ってみてください。

「いち、にー、さん、し(吸う)」です。 

 

いかがでしょうか?まるでビート自体が呼吸しているように感じませんか?

次に、3拍目のウラにオープンを追加してみましょう。

 

【譜例2】 

4拍目の手前に変化が起きることで、その後に続くスネアがより際立つように感じますね。

 

他にも1拍目や2拍目のウラにオープンを加えるのも良いですし、表拍でオープンするのもOK。これらを使いこなせば、同じ8ビートでも表現の幅が一気に広がります。

譜例では基本的なバスドラムのパターンを使用していますが、慣れてきたら様々なバスドラムのパターンで練習してみましょう!

▶︎ハイハットを閉じる瞬間に注意!

【譜例1】であれば、4拍目ウラいっぱいまでオープンの音を鳴らすようにしてください。

つまり、4拍目ウラで上がった左足は、次の1拍目のバスドラムや右手と同時に落ちるはずです。

初心者でよくあるのが、早く閉じてしまったり、4拍目のウラが短くなってしまうこと。

慣れないうちはメトロノームを使い、ゆっくりのテンポから確実に練習していきましょう。

ダンスグルーヴに欠かせないハイハットの「オープン・クローズ」

実践編の第2ステップとして、少し難しい譜例をご紹介します。

初心者の方にはいきなりは難しいかもしれませんが、ハイハットのオープン・クローズの魅力が最も発揮されるジャンルのひとつが、ディスコやファンクなどのダンスミュージックだからです。

たとえば、70~80年代のディスコサウンドでよく聴く”ドッチー ・ダッチー”という代表的なリズムパターン。現代のロックやポップでも多用されていますね。

【譜例3】

※1小節目と2小節目は同じ内容ですが、このように「+」が省略されることが多いです

このパターンでは、継続的にウラ拍が強調されることによって、4分音符のパルスが際立ち、よりノリのあるグルーヴを生み出すと言えるでしょう。
サビで使えば盛り上がること間違いなし!
最後に、フィルやキメなどでよく使われるパターンです。
現代のロックやポップスでも、もちろん多用されています。

【譜例4】

※1小節目と2小節目は同じ内容ですが、フットハイハットを交えて表記されることもあります 

「タチーッチーッチー!」という、聴いた人のテンションも上がってしまうこのキャッチーなフレーズ。
ハイハットをオープンで「チー」と鳴らした直後にクローズして「チッ」と止めることで、強烈なキレとドライヴ感を生み出しています。

 

このフレーズの生みの親はレジェンドドラマーのひとりである"バーナード・パーディ"氏です。
この方に関する内容だけでブログ1本になることは間違いありませんので、「知らなかった!」という方はぜひ覚えて、
そして調べてみてくださいね。

 

このふたつのフレーズに言えることですが、"開いて閉じる”ことが、聴く人を踊らせるグルーヴの秘密です。

少し開きが長いとルーズに、キュッと締めればタイトな印象になると言われ、
一流のドラマーは、この”開いて閉じる”瞬間をミリ秒単位でコントロールしています。

 

つまり「ハイハットを制する者は、グルーヴを制す」と言っても過言ではありません。

ハイハットのオープンに慣れてきた方は、ぜひこの2つにもトライしてください!

ドラムのハイハットを操る!オープン・クローズ入門まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回ご紹介した内容をマスターしていただければ、演奏がグッと表情豊かになること間違いなし!

最初は難しく感じるかもしれませんが、「どのくらい踏むか」「どのタイミングで開けるか」に慣れてくれば、今まで演奏しなれたリズムパターンもまるで違う音楽に聴こえてくるはずです。

次の練習では、ぜひ積極的にハイハットの「オープン・クローズ」を取り入れてください。

ハイハットを使えるようになって、ワンランク上のドラマーを目指しましょう!